べき関数(指数関数)と対数関数
このページの改訂版を
岡本安晴「統計学を学ぶための数学入門[上]」2008、培風館
に含めました。
また、上記下巻
岡本安晴「統計学を学ぶための数学入門[下]」2009、培風館
も上梓しました。
べき関数(指数関数)
数
を
個掛け合わせたものを
![]()
で表し、
の
乗と読む。
を(べき)指数という。例えば、
![]()
である。
ある数
を
回掛け合わせたものが
になるとき、その数
を
![]()
で表す。すなわち、

である。
2乗して
になる数
は
![]()
を満たす。したがって、
![]()
である。
有理数
![]()
に対して
の
乗を
![]()
で与える。すなわち、

である。
の
乗は、
を
で割ったもの
![]()
と定義する。
指数
が小数点以下の桁数が有限個である場合は、整数/整数の形の有理数で表せる。例えば、
![]()
である。この場合、
![]()
と考える。
任意の数値は、有理数で近似できる。例えば、
![]()
である。ここで、記号
は近似式であることを表す。この場合、
![]()
すなわち、
は
で近似できる。
有理数
で
を近似したとき(式(1.1))
(1.1)
![]()
は
で近似できる(式(1.2))。
(1.2)
![]()
式(1.1)における近似の精度を高めると、式(1.2)の近似の精度も高くなると考えると、
の値を有理数
が限りなく
に近づいたときの
の値と定義することができる。
一般に、
の
乗
を、
に限りなく近づく有理数の数列
に対して
が近づく値として定義する。すなわち、
のとき
(但し、
は有理数)
である(定義)。
関数
![]()
は、次図のようになっている。

の場合は次図のようになる。

関数
![]()
を
を底とするべき関数(指数関数)という。
の
乗は
である。
![]()
べき
について次の性質が成り立つ。
(1.1) ![]()
(1.2) ![]()
対数関数
べき関数
(2.1)
![]()
は、変数
の値が与えられると
の値が定まる。これを逆に見て、
の値に対応する
の値を求めることを考える。すなわち、
を
の関数と考えることもできる。このように、式(2.1)を
の関数と見た場合、
(2.2)
![]()
と書く。例えば、
![]()
であるので、
![]()
と書く。
式(2.2)で表される関数を、
を底とする対数関数という。特に
の場合は常用対数という。
底がNapier数
であるものを自然対数という。Napier数
は次式
![]()
で与えられるものである。自然対数の場合は底を省略して書く場合が多い。
![]()
関数
(関数の独立変数を
で表すという慣習に従って、上式における独立変数
をで置き換えて
の関数として表記し直した)のグラフは次図のようになっている。

対数関数について次の性質が成り立つ。
(2.1)
、 ![]()
(2.2) ![]()
問題2.1 上の性質(2.1)、(2.2)を示せ。
略解
問題2.1
式(2.1)の前半について:
、![]()
とおけば、
![]()
となる。したがって、対数関数の定義より、
![]()
を得る。
式(2.2)について:
(2.1.1)
![]()
(2.1.2)
![]()
とおく。
式(2.1.1)より
![]()
となる。上式と式(2.1.2)より
![]()
![]()
を得る。