積 分
このページの改訂版を
岡本安晴「統計学を学ぶための数学入門[上]」2008、培風館
に含めた。さらに進んだ内容を扱うものとして
岡本安晴「統計学を学ぶための数学入門[下]」2009、培風館
を上梓した。
区間
における関数
と
軸とに挟まれる面積を
(2.1)
![]()
で表す(図2.1)。

図2.1 面積と積分。赤の縦帯は、
上の面積
を表す。
図2.1の区間
における関数
と
軸とに挟まれる面積は、区間を点
、
、・・・、
(ただし、
)によって
個の小区間に細分すると次式
![]()
で近似できる。上式は
![]()
とおくと、
(2.2)
![]()
と書ける。
区間の細分を細かくするほど式(2.2)による近似はよくなる。すなわち、

となる。
正負の値をとる関数の積分は正の部分と負の部分に分けて考える。まず、

および

と定義する。このとき、
![]()
となっている。上式により
の積分を次式で定義する(図2.2)。
![]()

図2.2 正負の値をとる関数の積分
いま、
![]()
のときは
![]()
と定義する。このとき、次式が成り立つ。
![]()
積分の記号における変数
は、変数を表す他の記号、例えば
であってもよい。したがって、
![]()
である。
積分値をその上限の値の関数と見て
![]()
とおく。このとき、
![]()
![]()
![]()
となる。

図2.3
の図
いま、
![]()
と表せるとする。このとき
![]()
![]()
![]()
すなわち、
![]()
である。
多重積分
変数の関数
と領域
とに挟まれた
次元の体積を次式
(4.1)
![]()
で表し、多重積分あるいは重積分(multiple integral)という。多重積分であることがわかっているときは積分の記号
を
個並べずに1個あるいは2個の記号
で表すことがある。
領域
を
次元小直方体に分割したときの各小直方体の1辺の長さを
で表したとき、(4.1)式は
(4.2)
![]()
で近似できる(図4.1)。ここで、
の下の
は、領域
を小直方体で分割したとき、
内のすべての小直方体についての和であることを表す。このとき、
はそれぞれの小直方体において任意の1点
を選んだときの値である。

図4.1 多重積分(2重積分)の近似
式(4.2)において、
![]()
とすると
![]()
![]()
![]()
である。
関数が正負の値をとるときは次のように多重積分を定義する。
まず、次の2つの関数を定義する。


このとき、
![]()
となっている。
関数
の領域
上の多重積分を次式
![]()
![]()
で与える(定義)。
参考文献
(1)日本数学会編集「岩波数学辞典」第3版、岩波書店、1985
注: 用語は上記文献を参考にしたが、内容は心理学専攻生向けに直感的に理解できるものとした。