岡本ゼミ

性格の質問紙項目の多次元尺度法による分析

 

南風原「心理統計学の基礎」、有斐閣、2002にある性格特性の例、温和、陽気、外交的、親切、社交的、協力的、積極的、素直、のグループ分けを9人の被験者に求めた。よく似ているものを同じグループに集めて、2グループ以上になるように教示した。各特性の対が何回同じグループに属しているかを数えて類似度とし、それに1を足したものの逆数を非類似度とした。このデータを非計量多次元尺度法nonmetric multidimensional scaling)により分析し、下図の布置を得た。

上図をクリックすると大きな図(PDFファイル)が表示される

上の分析は非計量多次元尺度法のプログラムで行っているが、同じデータをSPSSのプログラムを用いると少し異なった布置が得られる。SPSSでは、Kruskalのストレスを目的関数としているとされているが、SPSSの解説にはKruskalのものとは若干異なるものが記載されている。しかし、ここで用いたプログラムでは目的関数としてKruskalのものと同じものが用いられている。これらの違いがあるため若干異なる布置が得られたと思われる。

質問紙で用いる性格などの項目を用意するとき、できるだけ多くの項目を集めてから因子分析などにより適切な項目が選定される。このとき、最初に用意した項目数がかなり多いときは、それを用いて項目選定のための予備調査を行うことが実施困難なときがある。性格ではなく、SD(意味微分)法において最初に用意した形容詞対から適切なものを選び出すときには、評定対象×形容詞対の数の評定を求めることになるので、大変な労力を評定者に要求することになることがある。また、評定対象が十分に多次元空間に分布していないときは、最初の形容詞対の多次元構造がうまく捉えられない。このようなとき、上記のグループ分けデータの多次元尺度法による分析ならば被験者に多大の負担を掛けてデータが歪むことを防ぐことが出来る。

グループ分けのデータによってある程度項目を絞り込んでから、より詳しく見るために因子分析等が可能なデータを収集すればよいが、これは本調査内に含めることが出来る。