日本女子大学人間社会学部心理学科

岡本ゼミ2004年度のテーマ

自己受容・楽観主義・死に対する態度・生きがい

 

 

9月28日

 

 「自己受容・楽観主義・死に対する態度・生きがい」についてそれらの関係を調べるとことなった。これらの測定のための尺度をそれぞれ「心理測定尺度集T・U・V」(堀 洋道監修、サイエンス社)に掲載されているものから選び、4つの尺度の関係を検討し易いように、かつ共分散構造分析を行うのに適した形式になるように編集した質問紙冊子を作成した。前期において収集したデータに対して行った予備分析では、これらの尺度をオリジナルのまま用いるのには問題がありそうだという結果が出たが、データ数が少ないこともあり、結論はデータがすべて集まってからということになった。明日、予定していたデータがすべて収集できることになったので、来週から本格的なデータ分析に入る。データ分析は、西生田キャンパスのコンピューター・センターに用意されているSPSSを利用して行う。

 

 

10月5日、12日

 

 先週までに収集したデータをExcelで入力した。西生田コンピューター・センターのファイル・サーバー上に用意されている授業用の共通のフォルダを利用して、受講生で分担してデータを入力し、コピー・ペーストによりデータを1つのシートにまとめた。まとめたデータをSPSSで読み込んで、質問紙への回答の分布パターンを調べ、データの打ち込み間違いのチェックなどを行った。分布のパターンは特に問題は無いようであった。次回から、まず各尺度のチェックを行う。尺度はすべて5件法に統一した。これは、共分散構造分析を行う場合、5件法以上だと連続変数とみなしてもそう大きい問題は無いという事情による(狩野・三浦、19972003(増補版2刷)、p153)。

 

 

 

10月19日

 

データの総数は164名分であった。4つの尺度のチェックを行うためのデータとして、18歳から20歳までの女性をデータの主要な傾向を表すものとして選んだ。この基準により131名分のデータとなった。この131名分のデータによって尺度のチェックを行う。うち、まず自己受容測定尺度のチェックを行った。この尺度は4つの領域があるとされている(沢崎、1993;堀・山本、2001)。因子分析によってこのことの確認を行った結果、1因子の尺度と考えるのがよいとの結論になった(詳しくは、ここをクリックして表示されるページで説明する)。クラスター分析を行った場合も、論文で主張されている4領域の項目にまとまる結果は得られなかった(Ward法、最遠法(相関係数およびユークリッド距離))。以後の分析においては自己受容測定尺度は1因子の尺度として扱う。この1因子の自己受容測定尺度の分析の続きは次回に行う。

 

 

10月26日

 

前回(19日)1因子の解において負荷量0.5以上の項目として採用した22項目に対して信頼性係数(アルファ係数)を求めた。アルファ係数0.920という値を得た。22項目の和の得点を求め、平均値と標準偏差を算出した(SPSSによる)。平均値68.53、標準偏差14.81であった。これらの値から偏差値(Z得点)を算出し、以後の分析において自己受容測定尺度zselfの値として用いることにした。zselfの分布を示すヒストグラムはここをクリックして表示されるページに示す。

 

 

11月2日

 

楽観主義尺度の分析を行った。この場合も、堀(2001)に説明されているような2因子構造は見出されなかった。因子数1として扱い、負荷量0.5以上の項目6項目を楽観主義尺度の項目として採用した。これら6項目の信頼性係数アルファの値は0.756であった。6項目の得点の和の平均値と標準偏差を求め、これらから算出した偏差値を楽観主義尺度LOTZの得点として用いることとした。詳しい説明はここをクリックして表示されるページで行う。

 

 

11月9日、16日

 

死に対する態度尺度の分析を行った。文献に示されている4因子を一応確認することができた。この内、信頼性係数の低い(α=0.322)下位尺度「中立的受容」尺度を除いた、3つの下位尺度、「死の恐怖」、「積極的受容」、「回避的受容」の3下位尺度を用いることとした。詳しい説明は、ここをクリックして表示されるページで行う。

 

 

11月30日、12月7日、12月14日

 

生きがい感(ライフスタイル)尺度の分析を行った。文献に示されている4因子を確認することができた。この内、信頼性の低い(0.345)「人生享楽」下位尺度を除いた、3つの下位尺度「現状満足感」、「存在価値」、「意欲」の3下位尺度を用いることとした。詳しい説明は、ここをクリックして表示されるページで行う。

 

 

12月21日

 

大学生から集めたデータに対して前回まででチェックした「自己受容」、「楽観主義」、「死に対する態度」、「生きがい」の各尺度について、それらの間の関係を共分散構造分析によって調べた。本来は、各尺度の潜在変数を設定して分析すべきであるが、ここでは前回までに構成した下位尺度の得点を用いることにした。この方法は、「希薄化」の問題が生じることがよく知られているが(狩野ら、2003)、関係の大まかな様子を簡単な共分散構造モデル(SEM)によって調べるという目的から下位尺度間の関係をモデル化した。適合度の基準に合うモデルは複数のものが可能であるが、そのうちの1つを図示すると以下のようである。

上図のモデルの適合度は、カイ2乗のp値が55%、CFI1.00RMSEA0.00である。

 

 

参考文献

 

狩野 裕・三浦麻子「グラフィカル多変量解析」、現代数学社、19972003(増補版2刷)

堀 洋道(監修)・山本真理子(編)「心理測定尺度集T」サイエンス社、2001

沢崎達夫「自己受容に関する研究(1)―新しい自己受容尺度の青年期における信頼性と妥当性の検討―」カウンセリング研究、19932937

 

 

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