第10.1節 MCMC
(Markov chain Monte Carlo;マルコフ連鎖モンテカルロ)
確率分布
が与えられたとき、その確率分布に従う数値の集合を与える方法の1つとしてMCMCと呼ばれている方法がある。この方法では系列
をマルコフ連鎖によって生成するが、生成された系列の数値は全体として所与の確率分布
に従うものである。この性質により、確率分布
の性質をシミュレーションによって分析する、あるいは確率分布
による期待値を数値的に求めることができる。MCMCの基本的な考え方と代表的方法であるMHアルゴリズムおよびギブズ・サンプラーについての説明は拙著
岡本安晴「計量心理学」培風館、2006;ISBN 4-563-05893-9
の「付録I マルコフ連鎖モンテカルロ」、Pp. 257 - 262;において行った。MHアルゴリズムとギブズ・サンプラーの混合形であるMetropolis – Hastings within Gibbs については、その解説と使用例を上記拙著「計量心理学」の「第6章 項目反応理論」のPp. 201 – 208 に用意した。