2項検定の例
例1:サイコロAを20回投げたとき、奇数の目が9回出た。サイコロAは公正な(奇数と偶数の目の出る確率がそれぞれ同じ)サイコロであると考えてよいか。
2項分布における等確率の両側検定を有意水準5%で行うために、棄却域を図1のように設定する。

図1 有意水準5%の両側検定における棄却域
偶数の目の出る確率と奇数の目の出る確率が等しいかどうかを調べるので、偶数の目の数、奇数の目の数いずれの出現回数を数えても検定の結果は同じである(
のときの2項分布の確率分布は左右対称である)。奇数の目の出た回数に注目することにする。
サイコロAの場合、20回のサイコロ投げにおいて奇数の目は9回出ている。奇数の目が9回という結果が図1の棄却域に入るかどうかを調べるために、奇数の目が9回以下である確率と、9回以上である確率を求めると次のようになる(この計算はこのページのプログラムで行うことができる)。
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図2 9回の位置
したがって、「奇数の目が9回」は図2に示されるように棄却域には入らない。すなわち、両側検定によると、サイコロAにおいて偶数の目の出る確率と奇数の目の出る確率には有意水準5%で差は認められない。
例2:サイコロBを20回投げたとき、奇数の目が5回出た。サイコロBは公正な(奇数と偶数の目の出る確率がそれぞれ同じ)サイコロであると考えてよいか。
サイコロBの場合、20回投げたときの奇数の目の出た回数は5回である。このときの確率は次のようになる。
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図3 5回の位置
図3に示されているように、「奇数の目が5回」は棄却域に入っている。したがって、サイコロBの場合は、有意水準5%の両側検定によると、偶数の目の出る確率と奇数の目の出る確率には差が認められる。
統計学の入門書として<岡本安晴「データ分析のための統計学入門――統計学の考え方――」おうふう、2009>を用意している。