メタ分析
統計的検定が、データに伴う不確定性(ランダムな要因)を考慮してデータに含まれる情報を評価する方法であると考えるならば、データに含まれる不確定性のため、その検定の結果が常に正しいという保証はない。この場合の誤りとして、例えば、第1種と第2種の誤りが区別され、それらの確率について論じられる。データに含まれる不確定性に伴うこの統計的検定の誤りの可能性を考慮するとき、研究結果に対する追試の必要性が生じる。
統計的検定では、帰無仮説が正しいときは第1種の誤りの確率(有意水準
)で間違った結論が得られる。対立仮説が正しいときは、正しい対立仮説によって決まる第2種の誤りの確率(
)で間違った帰無仮説が棄却されないということになる。間違った帰無仮説が棄却される確率は検定力
である。これらの過誤の確率
あるいは
が0でないときは、複数の追試を行ったとき、それぞれの確率に応じた誤りが生じるので、それらがすべて同じ結論を示すとは限らないことになる。このとき、これらの複数の結果を統合して総合的に判断することが必要になるが、そのための方法として以下のような方法(芝ら、2001、第11章)がある。
p値はその定義から、帰無仮説が正しいときは一様分布に従う統計量である。一様分布に従う統計量の対数の−2倍
は、自由度2のカイ2乗分布に従う。k個の研究結果があるとき、これらが独立した結果であるならば、各研究結果のp値、
、・・・、
、はお互いに独立であるので、次式で与えられる統計量
(1) 
は、自由度2kのカイ2乗分布に従う。したがって、k個の研究結果のp値から算出される(1)式の値が、自由度2kのカイ2乗分布に対する有意水準αの棄却域に入る値であれば、k個の研究結果全体に対する検定結果は有意ということになり帰無仮説は棄却される。有意水準αの棄却域に入らなければ、帰無仮説は棄却されない。
統計学の入門書として<岡本安晴「データ分析のための統計学入門――統計学の考え方――」おうふう、2009>を用意している。
参考文献
芝祐順・南風原朝和「行動科学における統計解析法」東京大学出版会、2001(第5刷)