VC++入門
コンソールアプリケーションの作成
本ウェブサイトの内容を基にして<岡本安晴「大学生のための心理学VC++プログラミング入門」勁草書房、第0章「はじめに」>を用意した。
Visual C++ 2010におけるWin32コンソールアプリケーションの説明のウェブサイトを用意した。
無料開発ツールVisual C++ Express 2012 for Windows Desktopはマイクロソフト社のウェブサイト
http://www.microsoft.com/visualstudio/jpn/downloads
からダウンロードできる(2013.09.24現在)。
Microsoft Visual Studio 2005を起動すると図1の画面になる。
図1
新しくプログラムを作成するときは、図2のようにメニュ「ファイル|新規作成|プロジェクト」を選ぶ。
図2
プログラムはプロジェクトとして管理される。メニュ項目「プロジェクト」をクリックすると図3のダイアログが表示される。
図3
プロジェクトの種類として「Visual C++」の下にある「CLR」をクリックして選び、テンプレートとして「CLRコンソールアプリケーション」をクリックして選ぶ。「Visual C++」の下に図3のように項目のリストが表示されていないときは、「Visual C++」の右側の小正方形の中に+印が表示されているのでそれをクリックすると項目のリストが表示される。「CLRコンソールアプリケーション」の選択後、プロジェクト名、場所、ソリューション名を設定する。場所で指定したフォルダの下にソリューション名として設定した名前のフォルダが作成され、ソリューション名のフォルダの下にプロジェクト名として設定した名前のフォルダが作成される。場所は、右側の「参照」ボタンをクリックすると図4のダイアログが表示されるので、適当なフォルダを指定する。
図4
「探す場所」欄に目的のフォルダが表示されているときに「開く」ボタンをクリックすると、そのフォルダが図2での「場所」として設定される。「場所」の設定後、プロジェクト名とソリューション名を設定する(図5)。
図5
プロジェクト名とソリューション名は同じでもよいが、図5では後の説明でわかりやすいように変えてある。プロジェクト名とソリューション名の設定後、「OK」ボタンをクリックすると図6の画面になる。
図6
プログラムを書くファイルがエディタ画面に表示されている。プログラムを書き込むがファイルの名前は、プロジェクト名に拡張子「.cpp」をつけたものとなる。このときVisual Stadioによって自動的に作成されたフォルダの構成とファイル群は図7のようになっている。
図7
ソリューション名のフォルダの下にプロジェクト名のフォルダが作成され、その下にプログラムを書き込むファイルがプロジェクト名にファイル拡張子.cppを付けた名前で用意されていることがわかる。他にいろいろなファイルが用意されているが、これらはVisual Studioがプロジェクトの管理のために自動的に用意しているもので気にする必要はない。図6のプログラムはC++のプログラムとしては正しいので、実行することができる。実行するときは、F5キーをおすか、メニュ「デバッグ開始」を選ぶ。
図8
デバッグ状態で実行すると、メニュ「デバッグ|デバッグの停止」を選ぶことによってプログラムの実行を停止することができる。
図9
図8と図9でメニュの内容が異なることに注意。メニュの中の項目は、Visual Studioの状況に応じて変化する。
図6のプログラムを実行すると、コンソールウィンドウ(中が黒のウィンドウ、図11)が表示され、すぐに消えてしまう。これは
Console::WriteLine(L"Hello World");
の実行によって、”Hello World”が表示されても、次のreturn文実行によってプログラムの実行が終了してしまうからである。これを図10のプログラムのように入力待ち状態にすると図11の状態で入力待ちとなる。
図10
図10では、string型、およびストリーム型coutとcinを用いているので、iostreamとstringのインクルードが必要である。また、名前空間stdの使用も宣言している。
図11
図10のようにエディタで編集後のプログラムを実行しようとすると図12のダイアログが表示される。
図12
「はい」ボタンをクリックするとビルドの作業が始まり、リンク後プログラムは実行されて図11のウィンドウが表示される。
図13
図11の状態は、
cin >> s;
の実行中で、キーボードからの入力待ちである。何か文字を打ち込んでからエンターキーを打つと入力ストリームcinによる処理は終了し、プログラムの実行終了となる。単にエンターキーのみを打っただけではcinによる処理は終了しない。必ず何か文字を打ち込んでからエンターキーを押す。図13では文字「a」が入力されている。この後にエンターキーを押すとプログラムの終了となる。
上の作業後、フォルダ内を見ると図14のようになっている。
図14
新しくフォルダ「Debug」が作成されている。フォルダ「Debug」は、プロジェクト名のフォルダの下だけではなく、ソリューション名のフォルダの直下にも作成されている(図15)。
図15
ソリューション名のフォルダ直下のフォルダDebug内には、プロジェクト名にファイル拡張子「.exe」の付いたファイルが作成されている。このファイルはダブルクリックによって直接実行することができる。
作成済みのプログラムを開くときは、メニュ「ファイル|開く|プロジェクト/ソリューション」を選ぶ(図16)。
図16
表示されたダイアログ(図17)において、ソリューション名のフォルダを選び、ソリューション名に拡張子「.sln」の付いたファイルを選んで開く。
図17
あるいは、プロジェクト名のフォルダ内にあるプロジェクト名に拡張子「.vcproj」の付いたファイルを選んでもよい。
図18
図17あるいは図18で、ファイル名をクリックして選択してもダイアログのファイル名の欄にはファイル名が表示されないが、そのまま「開く」ボタンをクリックすればよい。「開く」ボタンのクリックで図19のようにエディタにプログラムが表示される。
図19
なお、Visual C++ の簡単なプログラム例を
ホームページ「2009年度Visual C++2005/CLRサンプルプログラム」
に用意している。