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そしてこの表紙をめくると表紙と同じ配列で今度はマンガの漫画家たちの似顔絵が35組描かれている。そこに女性作家は何人いるだろうか。なんと明らかに女性とわかる作家は11人もいる(左上から堀内夏子、秋月りす、よしながふみ、こなみかなた、山下和美、安野モヨコ、とりのなん子、柴門ふみ、山崎さやか、東村アキコ、佐藤和歌子)。
『モーニング』は特に女性作家が多いが、他の雑誌にも2~3人は女性作家がいる場合が多い。また面白いことに女性作家は青年コミックや少年マンガにも進出しているのに対し、男性作家がレディスコミックや少女マンガで活躍する例はほとんどない。意外に思われるかもしれないが、マンガ分野では女性のほうが活躍の幅が広いと言える。しかし、ここまで「クロスオーバー化」が進むと、「青年」コミックと言うのはおかしいのではないか。あるいは近い将来、青年・少年・少女と言ったジャンルが崩壊し、クロスオーバーを超えて「ボーダレス」になるのではないか。「クロスオーバー」とは、まだ残っているコミックのジャンルの「垣根」を互いに飛び越えつつある状態を指している。その飛び越える「垣根」が無くなったとき、マンガは「ボーダレス化した」と呼べるのではないか。
本論では、近年活躍が目立つ「青年コミックを描く女性マンガ家」に注目し、そのルーツを探ると共になぜ彼女たちが「少女マンガ以外のマンガ」を描く運びとなったのか、どんなマンガを描いていたのかを研究することにより、日本のマンガ文化の「クロスオーバー化現象」、そしてマンガジャンルの必要性を考察する。
尚、文中の「マンガ」「コミック」という単語の表現については、ヨコタの記述に倣い 、一コマ風刺漫画を指すといわれる「漫画」ではなく、ストーリー漫画を指す「マンガ」「コミック」に統一する。また、「青年コミック」という呼称は、青年誌が出始めた頃から「コミック」という単語が定着した背景 に基づき、こう呼ぶことにする。